アニメ映画「11人いる!」を観て。萩尾望都のSF漫画の映画化。フロルベリチェリ・フロルが可愛い


 萩尾望都の中篇SF漫画の映画化作品です。コスモアカデミーの入学試験で廃棄された宇宙船に閉じ込められた受験生たちの活躍を描いた密室ドラマで、SF要素だけでなく、ミステリーや友情・恋愛模様などの要素も盛り込んだ作品です。名門校・コスモアカデミーの入学試験の最終テストで外部との接触が不可能な宇宙船を舞台に、宇宙の各星系からやって来た10人の受験生たちが、本当なら1チーム10人のはずが1人多いことから犯人探しをする羽目になり、お互い疑心暗鬼のなかで時には反目もしながら、徐々に信頼関係を築き友情や恋を構築し、非常事態を乗り越えてゆく様子を描いています。

画像

コスモアカデミーの受験生のひとりである主人公のタダトス・レーン(タダ)は、最終テストの実技試験に臨み、ある10人のチームのメンバーになり、53日周期で回る漂流船エスペランサ号の中に53日間留まるように命じられます。しかし、船に乗り込んでみると、なぜか1人多い11人でした。メンバーは直観力の強いタダのほか、容姿が女性だが性未分化のフロルベリチェリ・フロル、マヤ王バセスカ(王様)、ソルダム四世、アマゾン、チャコ、赤鼻、トト、ヌーム、ガニガス、グレン(石頭)の11名でした。コスモアカデミー本部に事態を知らせたくても、連絡手段はブリッジに置かれた非常用の赤いボタンだけで、押せばチーム全員が不合格になってしまいます。またひとりでも脱落するとやはり全員不合格になってしまいます。試験合格のために、11人は互いに疑いを持ちながら、53日間を過ごすことに決めます。

画像

11人目という予想外の事態に遭遇しつつも、当初は試験は順調に進みます。しかし、爆発のために船が公転軌道から外れて恒星に近づいていくという事故によって、船内温度がだんだんと上昇します。船内温度が40℃になると、船内に繁殖している「電導ヅタ」を原因とする空気感染の伝染病「デル赤斑病(死亡率が高い)」が発生することが分かります。暑さと伝染病への不安で疑心暗鬼がエスカレートして、タダを11人目として殺害しようとする騒ぎに発展します。しかしみんなで協力し合い、爆発で軌道を変える作戦が成功して太陽から遠ざかり、ついに船の軌道変更とワクチン抽出に成功します。しかし45日目になったところでフロルが「デル赤斑病」を発症したために、タダたちは人命を優先し試験の棄権を申し出ることに決め、非常用ボタンを押します。

画像
フロルベリチェリ・フロル

試験が終わり、実は11人目はコスモアカデミーの教官のグレンだと分かり、不測の事態への対応を試すために、わざと1人多い状況に仕組まれていたものでした。全チームの中で最長期間を耐えたタダたちのチームは、全員合格とされ、彼らはそれぞれの将来へと旅立っていくのでした。

コスモアカデミーというエリートコースの試験ですが、登場人物全員が個性が際立っていて(全員違う惑星の出身)、特に「女なんて大嫌いだ」と話す、男になるためにテストに来たフロルは魅力的でした。形式的なリーダーは王様のようで、実質的なリーダーはタダのようでした。ラストの場面、フロルがタダに「おまえが良いなら、女になってもいい」というプロポーズのシーンは、この作品で唯一のラブシーンでジーンときました。あとみんなで食事をするシーンで、みんなが大喧嘩するシーンは最高に笑えました。ラストで全員のその後が紹介されて、余韻が残りました☆

追伸・アニメ「氷菓」の中で、伊原摩耶花がフロルベリチェリ・フロルのコスプレをしているシーンがあります・・・

コメント