映画「This is I」を観て。はるな愛の自伝的映画。性同一性障害を救った医師の物語


 タレントのはるな愛さんの自伝的ヒューマン映画です。はるな愛著『素晴らしき、この人生』(講談社)と、和田耕治・深町公美子著『ペニスカッター:性同一性障害を救った医師の物語』(方丈社)を下敷きにした実話です。はるな愛とひとりの青年医師(美容整形外科医)の半生と、苦悩に満ちた壮絶で長い道のりを描いています。ジェンダーへの理解が今ほど浸透していなかった時代の物語です。Netflixで2026年2月10日(火)から世界独占配信しています。

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幼い頃から歌やダンスが大好きで、松田聖子のような「アイドルになりたい」と夢見る大西賢示(望月春希)は、成長するにつれて「自分らしさ」の希求と周囲の偏見に苦しむ毎日を送っていました。男らしく無く、なよなよしている賢示は、学校で壮絶ないじめに遭い、家族にすら相談できずにいました。やがて両親に内緒でバイトを始めたニューハーフのショーパブで、ユーモアと優しさに溢れた個性的な仲間たちと出会い、「アイ」という名前をつけてもらって、ステージデビューを果たします。

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そんな折、ショーを見に来たひとりの美容整形外科医師・和田耕治(斎藤工)と運命的な出会いをします。和田はステージでキラキラと輝くアイのまっすぐな姿勢に惹きつけられます。アイは和田に対して「性別適合手術をしてくれ」と懇願しますが、和田は断り続けました。しかし困難に負けそうになりながらも「自分らしさ」を追求していくアイの笑顔に触れるうちに、和田の心も変化していきます。

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かつて、患者を救えなかったことで苦しむ和田は、アイの深い苦しみを知るにつれて、当時の日本の医療界ではタブーになっていた「性別適合手術」に挑戦することを決意します。世間の偏見に遭い、葛藤に苦しみながらも研究を重ねて、アイは和田の性別適合手術の患者第一号となります。性別適合手術という決断を通して、自分がほんとうに望む「性」を確立していくアイと、偏見と警察の追及に晒されながらも「本当の医療とは何か」を追求して、自らの信念を貫き、性別適合手術に命がけで取り組む和田。ふたりは信頼と絆を築き合いながらが、お互いを支え合って、自分らしく生きる道を探していきます。

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東京に出てきたアイは、やがて芸能界でブレークして、『ミス・インターナショナル・クイーン 2009』で優勝します。いっぽう和田は自分のクリニック内で不慮の死を遂げます(享年53歳)。


この映画の最大の見どころは、はるな愛のあまり知られていない苦悩と、彼女に生きる希望の光を与えた医師・和田耕治との絆の物語だと思います。シリアスなテーマを扱いながら、歌やダンスをふんだんに盛り込んで、笑いと涙の「エンターテインメント」として、充分に堪能できる仕上がりとなっています。

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主演の望月春希(たぶんトランスジェンダーの男性・18歳)の演技がすさまじくて圧倒されっぱなしでした。斎藤工もカッコ良くて陶酔して観ました。レトロでカラフルな映像作りで、全般的に色鮮やかで明るいトーンです。要所要所に「エア・ミュージカル(口パク)」が差し込まれています。1980年から2000年代の昭和・平成のヒット曲が満載で、山下久美子の『赤道小町ドキッ』、プリンセス プリンセス『Diamonds<ダイアモンド>』、松田聖子『夏の扉』『チェリーブラッサム』『SWEET MEMORIES』、中森明菜『スローモーション』、チェッカーズ『あの娘とスキャンダル』、杏里『オリビアを聴きながら』、渡辺美里『My Revolution』などなど、名曲のオンパレードです。

アイの涙と苦悩が隠された、明るくてキュートな姿は、見る人に元気を与えてくれます。

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私自身も性別適合手術を受けて性別変更したので、彼女の苦悩がとてもリアルに感じ取れました。医者も患者も性別適合手術は命がけなので(全身麻酔とか)、和田先生の苦悩も理解できました。私は「東京ジェンダークリニック」で睾丸摘出手術を受け、名古屋にある「フローブ・クリニック」の丹羽先生に性別適合手術(女性器形成)をしていただきました。丹羽先生もとても気さくで優しい良心的な方で、しかも技術も素晴らしく、いまでも感謝しています☆

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