映画「珈琲時光」を観て。小津安二郎の「東京物語」へのオマージュ。女性ライターの静かなる日常
私が持っている数少ない映画のDVDが「珈琲時光」です。ゲオでレンタル落ちを300円で買いました。
小津安二郎の生誕100年記念とか、「東京物語」へのオマージュとか、台湾人の監督(候孝賢)とか、作曲家の江文也とか、主演の一青窈と継母役の余貴美子が台湾の血を引くとか、そういったことは詳しくないので書けませんが、素人なりの感想をいくつか書いてみたいと思います。
2004年製作のようですが、当時の東京(季節は8月)としても、かなり古風(質素)な生活をしているのが印象に残りました。
東京の電車や電車の乗車風景がたくさん出てきます(山手線・京浜東北線・東急電鉄・都電荒川線)。他にも群馬の上信電鉄とか(主人公の実家が高崎)。
また、東京の神田神保町の古本屋街や、有楽町、鬼子母神(雑司ヶ谷)、高円寺などの、古風な街の風景がメインで出てきます、
小柄で古風な女性主人公・井上陽子(一青窈)に感情移入しました。職業が私も昔やっていたフリーライターであること、髪型が同じポニーテールであること、髭の恋人(親友)がいること(浅野忠信が演じたこの男性(古書店主)が「撮り鉄」ならぬ「録り鉄」なのが面白い)などです。
あと私も昔住んでいた高円寺(古本屋)の風景も懐かしかったです。
事件らしいことは何も起こらないのですが、唯一の事件が、女性主人公が自分の妊娠を継母に告げる場面です。
それから、時間の流れ方が限りなく「現実」に近いと感じました(冒頭の陽子の電話のやりとり、親友の古書店での会話、実家やアパートで両親と過ごすシーン、陽子が電車で移動するシーンなど)。
それと最後に、飲食の場面が印象に残りました。手作りの肉じゃがや、狭くて古風な喫茶店のコーヒーやホットミルク、ビールや日本酒、麦茶、牛乳、ミネラルウォーター、手作りのおかゆ?、お菓子、カレーライス、きんぴらごぼうなど。
一青窈の演技かアドリブか分からないほどの、自然体な佇まいに吸い込まれました。
エンディング曲の「一思案(作詞・一青窈、作曲・井上陽水)」も素晴らしい出来です(詞の言葉使い(組み合わせ)が独特です)。

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