映画「グッバイガール」を観て。男運の悪いダンサーが舞台役者と結ばれるまで
1977年制作のアメリカのラブ・コメディ映画です。ニューヨークのマンハッタンを舞台に、舞台役者と子連れのダンサーが結ばれるまでを、コメディ・タッチで描いています。ヒロインのダンサーは、いままで役者と付き合い何度も捨てられてきた過去があり、男性(特に役者)には不信感と警戒心を持っています。

ダンサーのポーラは30代半ば。幼い娘ルーシーと、役者の恋人と暮らしていましたが、母娘が買い物から帰宅すると、恋人は置き手紙を残し、姿を消していました。そのうえ、ポーラは家賃を3か月分前払いしていたにも関わらず、恋人は勝手にアパートを役者仲間の男・エリオットに譲渡してしまい、ポーラは怒り心頭です。その日の夜、エリオットが家を訪ねて来ます。しかしポーラは、エリオットを追い返してしまいます。エリオットは一度は引き下がりますが、土砂降りの中、近くの公衆電話から部屋へ電話し、頑固なポーラを説得して、やっと部屋へ入れてもらいます。口論の末、お互いお金がないので同居するしかないということになって、ポーラは仕方なくエリオットと同居生活を始めることになります。ところがエリオットはマイペースな男性で、寝る前にギターをかき鳴らし、全裸で睡眠し、早朝から瞑想をするのでした。おかげでポーラとルーシーは寝不足になります。
翌日はポーラもミュージカルのオーディションがあり、エリオットも役者として大事な時だと言います。昨夜のいざこざのせいで、ほとんど眠れなかったポーラでしたが、オーディションへ向かいます。しかしオーディションは落選してしまいます。いっぽうエリオットも、所属劇団で次回公演のためにセリフ合わせをしていました。しかし演出家は、エリオットが想定していた人物像とはまったく異なった奇抜な人物像を示してきます。そのため、エリオットは役柄を掴むのに苦しみます。ある日、買い物中に偶然ポーラはエリオットと会います。エリオットがワインを買っている間に、ポーラは強盗に遭い、全財産を奪われてしまいます。その夜、3人は夕食を楽しみます。ルーシーはエリオットと仲良くなりますが、ポーラは無一文になりどうしたらいいか不安でいっぱいでした。

翌日、友人からの紹介で、ポーラはとりあえず短期の仕事をすることになります。それは展示会場で日本車を宣伝する仕事でした。ある夜、ルーシーは具合が悪くなります。エリオットはすぐに介抱の手伝いをします。その姿にポーラは態度を改め、エリオットに謝罪をします。エリオットが主演を務める舞台にポーラとルーシーは招待されます。しかし、その舞台は原作から大きく外れ、奇抜過ぎる演出でした。その結果、新聞各紙から酷評されてしまいます。エリオットは荒れてしまい、泥酔して部屋の物を破壊しまくったために、ポーラから優しく介抱されるのでした。翌朝、エリオットへ公演中止の電話がかかってきます。エリオットは短期の仕事を始め、徐々にポーラとの関係も良くなっていきます。エリオットはポーラへの気持ちを隠さなくなり、情熱的な愛情表現で迫ってきます。ポーラもエリオットに好意を抱いていましたが、これまでの経験から臆病になり、エリオットを受け入れることができません。ある夜、帰宅したポーラにエリオットは、ロマンチックなディナーを演出します。ポーラはエリオットの熱意に降参してしまい、熱い夜を過ごすのでした。
翌朝、ルーシーはエリオットとポーラが恋人同士になったことを喜ばず、別れを予感してひねくれてしまいます。恋人が出来ては別れることを繰り返して、辛酸を舐めてきたポーラとルーシーは、同じ過ちを繰り返したくないとエリオットを拒絶します。エリオットはポーラとルーシーの拒絶を受け入れられず、アパートの前で大騒ぎして、ポーラへ熱烈に愛情をアピールし続けたため、ポーラはエリオットへの気持ちを取り戻すのでした。共同生活ではなく「同棲生活」となった3人でしたが、心機一転、部屋の模様替えを行い、幸せいっぱいの生活を送ります。
ある日エリオットに、有名な演出家から映画出演のオファーが入ります。エリオットはチャンスを逃すまいと即座に承諾します。エリオットが出発の準備をしていたところへポーラが帰宅します。エリオットが映画出演のために、シアトルへ行くことを聞いたポーラは表情を曇らせます。前の恋人もそう言って戻らなかったからです。ポーラはまた捨てられると泣き出してしまいますが、エリオットは前の男と自分は違うと、必死にポーラを説得します。エリオットはたとえ飛行機が落ちても、絶対に戻って来ると断言して出発します。その夜、故障で出発が遅れたので、エリオットは戻ってきて、アパートの近くの公衆電話から、ポーラへ一緒にシアトルへ行こうと電話で誘います。ポーラとルーシーは、彼が戻ってきたことで、捨てられたのではなかったのだと実感します。ポーラは戻ってきてくれただけで充分だと言い、再び彼を送り出すのでした。

土砂降りのシーンで始まり、再び土砂降りのシーンで終わる映画です。舞台役者のエリオットは、素晴らしい演技力を持ち、才能はあるものの泣かず飛ばでしたが、最後に報われます。最初は冴えない中年男という感じでしたが、徐々に情熱家でユーモアがある誠実な人柄とわかり、好感が持てました。娘のルーシーは、聡明で賢く大人びていて、会話も辛辣で毒舌家なところが良かったです。主人公のポーラは、性格がひねくれていてヒステリックで、最初は好感が持てなかったのですが、ラストに近づくにつれて、優しい面が出てきたのが救いでした。
エンディングでかかる曲、デビット・ゲイツの「グッバイガール」が名曲で、爽やかなエンディングにピッタリでした☆
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