アニメ映画「ルックバック」を観て。藤本タツキの長編漫画の映画化。漫画を描く2人の少女の友情


 藤本タツキによる長編読み切り漫画の映画化作品です。小学4年生の藤野歩と、同じ学校に在籍しているが不登校の京本の、漫画を描く2人の少女の友情と人生が、美しくはかなく描かれています。映画は大ヒットしました。

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小学4年生の藤野歩は、学校新聞で毎週4コマ漫画を連載して、同級生から賞賛されていました。ある日、担任の教師から不登校の京本が漫画を掲載したいと言っているから、藤野の連載している中の1枠を譲って欲しいと頼まれます。藤野は初めは、不登校の京本を軽く見ていましたが、京本の画力の高さを見てびっくりします。掲載された京本の4コマ漫画はストーリーは無いものの、背景の描写力が優れていました。他の生徒からも絶賛されて、藤野の漫画と比べてみると普通だというような反応をされます。藤野は悔しさから絵の本格的な練習を開始して努力を重ねていきます。しかし、努力にもかかわらず京本の画力には及ばずに、続けた連載を6年生になってやめてしまいます。

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小学校の卒業式の日に、担任教師から京本に卒業証書を届けるように依頼された藤野は、京本の家を訪れ、初めて彼女と対面して、京本からファンだと告白されます。藤野は歓喜します。中学生になり、再び漫画を描き始めた藤野は、京本と一緒に漫画を描くことになり、2人は藤野キョウというペンネームで、漫画の受賞を目指して創作を始めます。応募した作品が入選して、読み切り漫画のアマチュア漫画家として成功を収めます。しかし高校卒業の時に、京本は美大に行きたいと言い、藤野は激怒して反対しますが、結局2人の進路は分かれて、京本は山形にある美術大学へ進学します。いっぽう藤野は漫画雑誌での連載を始めてプロの漫画家になります。1人になった藤野はアシスタントを雇い順調に連載を続けて、藤野の漫画は11巻まで続きアニメ化するまでになります。そんな藤野に京本が殺されたと言うニュースが飛び込んできます。

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京本の通う美術大学に、精神的不安定になった男が侵入して大量の学生を金属製の斧で殺害します。入り口付近のソファーにいた京本は最初の犠牲者でした。藤野は京本の死の原因が、外部の世界に彼女を引き込んだ自分ではないかと後悔します。この事件を契機に、物語は2つに分岐します。1つは「京本が死んだ本来の世界」、もう1つは「藤野と一緒に漫画を描き続ける世界」です。ラストは、藤野がひとりでタブレットを使って漫画を描いている後ろ姿で幕を閉じます。

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1時間足らずという中編作品で、スピード感があります。2人の女の子の漫画を通した絆が、美しくはかなく描かれ、作画も美しいです。京本からファンだと告げられた藤野が、雨の中、秋田の田舎道をスキップしながら喜びを爆発させるシーンは、この作品の一番の名シーンで、アニメでしか出せない動きが堪能できます。前半のハッピーな描写から、後半の「京アニ事件」を彷彿させる衝撃の描写まで、息つかせない展開に目が離せません。全編手書きで描かれた作品のようで、細かな心理描写が絶妙です。ラスト近くは「止め絵」の連続でとても効果的だと感じました。BGMもとても素晴らしいです。

きっと何度でも見たくなる作品です☆

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