映画「STAY GOLD(ステイ・ゴールド)」を観て。野沢尚脚本による青春冒険映画。少女版『スタンド・バイ・ミー』
1988年製作。『眠れる森』や『青い鳥』『坂の上の雲』で知られる野沢尚(故人。自殺)の原案および脚本による青春冒険映画です。少女版『スタンド・バイ・ミー』として宣伝されました。主人公は水原里絵(のちの深津絵里)で『1999年の夏休み』に続いて映画出演2作目です。3人の少女が友人の自殺をきっかけに、修学旅行中にお互いの友情を知るまでを描いています。

名門女子校の初等部6年生(12歳)の芦川理沙(水原里絵)、清原真琴、和田麗子の3人は、ある秋の日に観光バス2台で、2泊3日の修学旅行に出かけますが、その朝、仲の良い小野寺奈美がいないことに気づきます。じつは彼女は、その朝10階建てのビルの屋上から、飛び降り自殺していました。5人の教師たちは、パニックにならないように、その事実を80名の女子生徒に隠そうとして、黙っていました。しかし3人は教師たちが話しているのを聞いて、奈美が自殺したことを知ってしまいます。事実を知ってしまった3人は反発しますが、若い男女の教師2人(髙嶋政宏、渡辺典子)に連れられて、東京に帰ることになります。帰る途中、特急あさまの窓から、5本の川の分水嶺のあるというギザギザの山を見ました。3人は、生前に奈美が教えてくれた「飲むと好きな人と永遠の友情を得られる伝説の泉」を探すために、途中で無断で下車してしまいます。修学旅行中に脱走した3人は、伝説の泉を探す旅に出ます。

山のなか深くへ入って行き、吊橋を渡り、水車小屋を見つけます。そこにはマタギのような老人(成田三樹夫)がいました。3人はその老人に伝説の泉の場所を尋ねます。老人は「トロッコの線路が近道で、その終わりが水源だ」と教えてくれます。3人はトロッコの線路沿いに山を登っていきます。2人の教師も3人の後を追います。目的地は分水嶺のひとつの雫川でした。3人は奈美を救えなかったことを後悔して、友情の弱さを思い知らされるのでした。そこでなんとしてもその泉を見つけたかったのでした。日暮れが近くなり、周囲は次第に暗くなります。夜になり、3人は焚き火を焚いて夜を迎えます。3人はケンカしたり、奈美の悪夢(麗子の靴が無くなり、足から血が出ている)を見ます。なかなか寝付けないなかで、真琴だけはいびきをかいて熟睡していました。理沙と麗子は、10年後の22歳の時はどうなっているだろうかと考えます。

夜を明かした3人は、川で洗顔をします。ふたたびトロッコの線路跡を追って、伝説の泉を探しに出かけます。途中でレールを見失い、3人は沢沿い(水のレール)つたいに歩きます。やがて雷雨がやってきて、3人は逃げ惑います。楽しいはずの冒険旅行も、心細いものとなってきました。雨宿りする3人でしたが、真琴は「伝説の泉の話は嘘で、奈美の気持ちを想像しただけ」と告白します。それを聞いた理沙は、真琴と麗子を「伝説ごっこ」と皮肉ります。しかし理沙は奈美から泉の存在を直接聞いたから、必ず泉は見つかると話します。雨があがり、真琴と麗子は脚にケガをしている理沙を助けながら、泉へと向かいます。

山道も険しくなってきて、道に迷った3人は絶望の淵に落とされそうになりながらも励まし合い、分水嶺にある泉を目指します。トロッコの終点を見つけ滝を発見しますが、泉はありませんでした。絶望しかけた刹那、麗子が泉の雫に気づきます。ついに伝説の泉を発見した3人は、雫の湧き水を両手を出して飲み干します。3人は「さようなら」と言い、お互いの友情を確かめ合います。その様子を見て安心した2人の教師は、3人を見守ります。一年後、3人は中学生(真琴だけ同じ女子校の中等部に進学)になっていました。

少女版『スタンド・バイ・ミー』の惹句に恥じない素敵な映画でした。主役のボーイッシュでやや反抗的な理沙(深津絵里)が、小学生なのに可愛らしく美しく、魅了されました。友だちの死を知って、ひとりの少女がついた嘘から始まった冒険物語ですが、非日常を共に体験するうちに、嘘が現実になっていく展開は見事でした。
失ってしまったもの(自殺した奈美)を思い出にするために、懸命に心の折り合いをつけようとする3人の純粋な姿は、痛ましいですが、一種のノスタルジーも感じました。12歳の少女たちの溢れる生命感が、大自然の中で感動的に描かれていて、心温まる物語でした。思春期初期の少女たちの、うつろいやすい心を見事に描いていました。爽快なラストでした☆
- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ



コメント
コメントを投稿