映画「新幹線大爆破」を観て。1975年の映画のリブート版。列車の速度が100キロを下回ると爆発
2025年4月に「Netflix」で配信された日本のパニック映画です。監督は樋口真嗣、主演は草彅剛です。1975年に制作された映画「新幹線大爆破」のリブート版(新たな設定で作り直したもの)です。

東北新幹線の盛岡新幹線運輸区所属のベテラン車掌・高市和也(草彅剛)は、修学旅行で青森に訪れた高校生たちに新幹線についての解説を行った後、新米車掌の藤井と一緒に、新青森発東京行きの「はやぶさ60号」に乗務します。「はやぶさ60号」が新青森駅を出発してすぐに、車両に爆弾を仕掛けたという電話が入ります。犯人は列車の速度が100キロを下回ると爆発すると言い、爆弾が本物であることを見せつけるために、実際に貨物列車を爆発させます。JR東日本新幹線総合指令所の総括指令長・笠置雄一(斎藤工)は対処を任されます。「はやぶさ60号」が青森県七戸町を過ぎた頃、笠置は運転士・松本千花(のん)に速度を100キロ以下に落とさないように指示します。さらに高市には、乗客に対して爆弾の存在を知らせずに、次の停車駅である八戸駅には、運行上の問題で通過するとアナウンスすることを指示します。

指令所に警視庁捜査一課特殊犯捜査係の警部補・川越が到着します。その後、犯人から指令所に、日本国民全員に爆弾の解除料金として1000億円を要求する電話がかかってきます。指令所には政府から、総理補佐官の佐々木が派遣されます。佐々木はすぐに「はやぶさ60号」の乗客に爆弾の存在を公表するよう指示し、高市は爆弾についてのアナウンスを行います。乗客らが車掌室に詰め寄り苦情を申し入れますが、乗車していた衆議院議員・加賀美裕子(尾野真千子)が彼らをなだめようとします。しかし不倫の疑惑が疑われている加賀美の言葉は聞き入られず、高市がその場をおさめます。一方、内閣官房長官の諏訪(坂東彌十郎)は会見で「テロリストの要求には応じない」と断言します。

同じ頃、盛岡駅では先行の東京行き「はやぶさ32号」が車両トラブルで起動不能となり、上り線を塞いでいました。笠置は「はやぶさ60号」を盛岡駅手前で下り線に転線させようとしますが、下り線では新函館北斗・秋田行き「はやぶさ・こまち27号」が走行していて、衝突の危険がありました。笠置は「はやぶさ・こまち27号」との衝突回避と「はやぶさ60号」の転線を成功させるため、少しでも時間を稼ぐために、「はやぶさ・こまち27号」には速度を上げるように指示し、「はやぶさ60号」の松本に対してはギリギリの時速102キロまで速度を下げるように指示します。双方の列車はお互いの後部と前部を接触させながら「はやぶさ60号」は無事に下り線に転線し、盛岡駅を通過することに成功します。盛岡駅を抜けた後「はやぶさ60号」は再び上り線に復帰します。

有名なYouTuberの等々力(要潤)は、車内用のマイクで爆弾の解除料金を「クラウドファンディング」で募集することを提案します。乗客らはこの情報をSNSで拡散し、身代金は徐々に集まっていきました。指令所では川越警部補たちが、今回の件と1975年に発生した「ひかり109号爆破未遂事件」とのつながりを疑い始めていました。指令所では新幹線運輸車両部マネージャー・山本由紀乃を呼び「はやぶさ60号」の救出作戦を立案します。その内容を高市に知らせ、高市は作戦遂行のために車内放送で電気工事士に協力を求めます。作戦の第一段階は、並走列車を走らせ「はやぶさ60号」と乗務員室の扉同士をロープで結び、工具の受け渡しを企図するもので、高市とアテンダントの二宮春香らで受け取りに成功し、併走列車は離脱します。第二段階は、第一種電気工事士・篠原が作戦遂行時に非常ブレーキが作動しないように電気系統の変更作業を行ったうえで、8・9両目の間の連結器を切り離すものでした。切り離しは成功して、爆弾が仕掛けられた9両目は切り離したあとに速度が時速100キロ以下になり爆発します。

作戦最終段階は、元運転士の福岡(尾上松也)を乗せて、先頭車両を取り外した「救出列車」を宮城県の仙台駅~古川駅の間で側線から本線へと入れ「はやぶさ60号」とドッキングさせて乗客を救出することでした。宮城県大河原町付近で救出列車は「はやぶさ60号」に追いつき、車両と車両の間に仮設の橋をかけて、大半の乗客を救助することに成功します。救出も終盤にきて、生徒・小野寺柚月がいないことを知った教員・市川さくらが救出列車から「はやぶさ60号」に戻ってきます。加賀美と秘書の林も市川を追いかけて、等々力もなりゆきで追随します。電気系統の変更作業の甘さから、救出列車の非常ブレーキが作動します。救出列車側の作業員たちは橋を外そうと試みますが、ロープが絡まって外すことができずに、連結している「はやぶさ60号」のスピードも落ちてきます。双方の車両に被害が及ぶことを避けるために、松本は急ブレーキをかけて、救出列車を連結部に追突させることで、連結切り離しを試みます。試みは成功しますが、衝撃のために破壊された金属部品によって藤井が重傷を負います。

柚月は「はやぶさ60号」内で発見されました。乗客349名のうち340名が救出されますが、9名は「はやぶさ60号」に取り残されます(高市・藤井・加賀美・等々力・市川・柚月・松本・林・後藤)。指令所の佐々木は、再度同じ作戦を主張しますが、山本は車両の構造上同じ作戦は出来ないと言います。「はやぶさ60号」が白石蔵王駅を通過したところで、親への電話のためにデッキへと向かう柚月の背中を見つめていた高市は、車内のポスターを見て新たな作戦を思いつきます。高市は電話で思いついた作戦を話します。それは東京駅で東北新幹線の線路を東海道新幹線へと接続して「はやぶさ60号」を鹿児島中央駅まで走らせて時間稼ぎを行って、その間に爆弾を解除するという作戦でした。佐々木は国土交通省の許可を取るべく協力すると言います。

「はやぶさ60号」のデッキでは、柚月が父親の小野寺勉に電話をかけていました。勉は元警察官で、109号事件の犯人のひとりの自爆現場に臨場していましたが、警察上層部は犯人が自爆した事実を隠して、勉がみごと犯人を射殺したことにしていました。勉の人格は誤ったプライドにより歪んで、娘の柚月を非人間的に扱っていました。柚月はそのうち「嘘の日常を壊す」という信念を抱くようになり、その手段として勉の手柄の象徴である新幹線を壊すために爆弾を仕掛けたと伝えます。勉は信用しませんでしたが、柚月はスマホからの操作で家を爆破し勉を殺害します。目的を果たした柚月は車両内に戻り、高市らの前で指令所に電話をかけて、自分が犯人であると自供し「はやぶさ60号」に仕掛けた爆弾の解除をするためには、私を殺せと言います。柚月の体内にある心臓モニターが心拍を検知できなくなると爆弾が解除されるという仕組みでした。

東京駅では、東海道新幹線と東北新幹線の線路をつなぐため、臨時の路線延長工事が、政府の最終承認を待たず開始されます。警察は柚月のInstagramのアカウントから、常時柚月と連絡を取り合っていたアカウントを絞り込んだ結果、発破技士の男・古賀に目をつけます。彼は109号事件の犯人である古賀勝の息子でした。川越警部補は埼玉県警を向かわせて、古賀の身柄を確保します。「はやぶさ60号」は爆弾を乗せたまま東京駅に近づいていて、福島県二本松市を通過します。しかし東京駅の臨時の路線延長工事が、政府との調整が決裂して中止になり、指令所は絶望の空気に包まれます。笠置はその旨を高市に知らせて「はやぶさ60号」の行く末を高市に託します。高市は覚悟して、柚月の首を絞めようとしますが彼女を抱きしめます。

川越警部補は、埼玉県警にいる古賀をオンラインで取り調べて、古賀から爆弾を渡した動機は柚月への同情ではなくて、自分の父である勝の自爆を汚したことへの復讐だと供述します。さらに「はやぶさ60号」に残る爆弾が1、4、6号車の3か所に仕掛けられていることを自供します。笠置は「はやぶさ60号」を止める地点を検討し、埼玉県久喜市の鷲宮信号場付近での決行を決意します。笠置は、諏訪官房長官・高市・指令所をオンラインでつなぎ作戦の内容を説明します。他に方法はないと覚悟した諏訪は、作戦に協力することを告げます。「はやぶさ60号」が栃木県那須塩原市付近を通行中、車両内で9人の乗員・乗客たちは新たな作戦に備えて、クッションとなるものを集めていました。松本も速度を時速120キロに固定させて、高市と共に車両内に戻り共同作業に加わります。「はやぶさ60号」は、茨城県古河市を過ぎて、消防隊・救急隊ら関係者が集まっている鷲宮信号場に近づきます。

作戦は実行されて、まず「はやぶさ60号」の車両が鷲宮信号場のポイント地点に差し掛かる瞬間にポイントを操作して、続いてその先のポイントを操作します。7・8両目が脱線することにより、1~6両目と切り離されてそのまま本線を進み、1~6両目は側線へと入ります。1~6両目はスピードを失ったために3個の爆弾が次々と爆発して、炎上しながら防音壁を越えて地上に落下します。本線を進んだ7・8両目はなかなか止まらず、乗客のいる8両目は横転した7両目に突っ込み車両を大破させて、高速道路用の衝撃緩衝具に突っ込み、ようやく停止します。救助隊が8両目へ向かい全員の生存を確認して、指令所は喜びに包まれます。笠置は安堵を抱きつつ、すぐに大宮駅・小山駅間、仙台駅・古川駅間を運休として、その他の路線の運転再開を指示します。

鷲宮信号場の高架下では、高市が救援の様子を眺めていました。藤井はすぐに病院へ搬送されました。警察に確保され救急車に乗った柚月は、川越警部補に古賀の本当の目的を聞かされるが否定します。しかし等々力が行ったクラウドファンディングの目標金額の達成画面を見せられ驚きます。柚月の救急車が病院へ向かった後、高市は加賀美・林・等々力・後藤・市川たちに視線を向けます。高市と松本は、駆けつけたJR東日本の職員たちに最高の敬意で迎えられます。

リアルな鉄道描写とVFX、濃密な人間ドラマが堪能できます。圧倒的なスケールと迫真の演技・スピードと緊張感あふれる展開で見所満載です。ベテラン車掌の高市をはじめ、各人が自分の職務(義務)をまっとうしています。パニックに陥った中、運転士、乗務員、指令所、作業員、警察が連携し、危機に立ち向かっています。極限状況に置かれた人間の心理が細かく描写されています。JR職員としての使命、政治家の打算とプライド、インフルエンサーのYouTuberとしての使命、若者の心の葛藤・・・。密閉された車内と、外部の指令所で交わされる数々のドラマが、物語に重厚感を与えています。画質も高画質で再見に堪えるクオリティだと思います☆
余談:「鷲宮信号場」は私の家から近く、実際に見に行ったことがあります。
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