映画「きみに読む物語」を観て。認知症で過去を失った老女に、老人男性がノートに書かれた恋人たちの物語を読み聞かせる話。胸を打つラスト
2004年製作のアメリカのロマンティック映画です(原題は The Notebook)。認知症に罹り過去を思い出せない老女に、老人男性がノートに書かれた、若い恋人たちの恋愛物語を読み聞かせて、回想している形で物語は進みます。この映画は最優秀キス賞を始めとする数々の賞を受賞しました。また興行的にヒットし、予算2900万ドルに対して1億1830万ドルの興行収入を記録しました。批評家からの評価は賛否両論でしたが、主演のライアン・ゴズリングとレイチェル・マクアダムスの演技が称賛されました。公開以来、カルトクラシック映画となっています。

2004年、老人のデューク(ノア)は、認知症の老女に「ある恋人たち」の物語を読み聞かせています。1940年、サウスカロライナ州のシーブルック島のカーニバルで、製材所で働いているノア・カルフーン(ライアン・ゴズリング)は、夏休みに別荘に滞在していた17歳のアリー・ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)に一目惚れします。アリーは最初は興味を持ちませんでしたが、度重なるノアのアプローチにアリーは魅了されて、お互い全く異なる性格にも関わらず、ふたりはひと夏の激しい恋に落ちます。

夏休みの終わりに、ノアはアリーがニューヨークのサラ・ローレンス大学に通うことを知らされます。ノアはアリーに廃屋になったウィンザー農園の大きな屋敷に案内して、改築の夢を語ります。やがて警察が彼女を捜索し始めます。アリーは急いで家に帰りますが、母のアンはアリーにノアと会うことを禁じます。その後も二人の仲は認められず、ひと夏の出来事が終わります。翌朝、状況がすっかり変わります。アンはアリーにすぐにチャールストンへ帰ると告げます。アリーはノアに会いに急いで製材所へ向かいますが、彼は不在で、ノアの友人のフィンに、ノアに愛していると伝えるように頼みます。ノアはすぐにアリーを追いかけますが、もう手遅れでした。

ノアは1年間365日、毎日アリーに手紙を書きますが、彼女の元には一度も手紙は届きませんでした。アリーからの沈黙に、ノアは忘れ去られたと感じ、手紙を書くのをやめます。ノアとフィンは第二次世界大戦に従軍し、フィンはバルジの戦いで戦死します。いっぽうアリーは大学3年の時、従軍看護婦に志願して、ロン・ハモンド・ジュニア大尉と出会います。彼は南部の古い富裕層の若い弁護士でした。アリーの両親は、二人が恋に落ち婚約したことを喜びます。
それから2年後、ノアが戦争から帰還すると、父親がウィンザー農場の屋敷を買うために家を売ったことを知ります。その後まもなく父親が亡くなり、ノアは屋敷を修繕すればアリーが戻ると思い込み、屋敷の修繕を始めます。修繕が終わり、ノアは最初は屋敷を売るつもりでしたが、すべての申し出を断ります。ノアは戦争未亡人のマーサ・ショウと付き合い始めますが、ノアはアリーを忘れられません。

ウェディングドレスを試着しているとき、アリーは新聞の記事で、ウィンザー農園でのノアの写真を見て気を失います。アリーはノアへの感情が一気に押し寄せて、心の決着をつけるために、ひとりではるばるノアの住むシーブルックへ車を走らせます。アリーとノアは、7年間会っていませんでした。ノアは呆然とし、焦ったアリーは帰ろうとして車をクラッシュさせます。家の中で二人は話し、アリーはノアに婚約していることを明かします。また、あの夏のことを思い出し、ふたりがどれほど愛し合っていたかを語り合います。
翌日、二人はボートに乗り、ノアはアリーにアヒルのいる美しい場所を見せます。やがて嵐がやってきて、桟橋に戻ったアリーはノアに、手紙をずっと待っていたのに送って来なかったことを激しく問い質します。ノアは365通の手紙を送ったことを話します。手紙はアリーの母親によって没収されていたのでした。その夜、二人は激しく求め合います。

ノアとアリーは数日間、ロマンチックで幸せな時間を過ごします。ノアの家を訪れたマーサは、ノアが真実の恋人と一緒にいるのを見て納得します。やがて母親のアンがアリーに、ロンがシーブルックにいると警告しに来ます。アリーはアンに、ノアの手紙を隠していたことへの怒りをぶちまけます。アンとアリーが帰宅しようとする途中、アンはアリーに、製材所の男性を指さします。それはアンがかつて本当に愛した男性でした。社会階級の違いから、アンは自分たちには将来がないと信じこんでいたのでした。アンは今でも、もし違う選択をしていたら自分の人生はどうなっていただろうかと考えます。アンはアリーに、ノアの手紙を手渡し、正しい選択をするように勧めます。

アリーが戻ると、ノアはアリーにこれからどうするつもりか尋ねます。アリーがはっきり答えられないでいると、二人は激しく口論し合います。ノアはアリーが、一緒に愛し合った後に、再び去ることに裏切られたと感じます。アンはまだロンと婚約していることを自覚します。ノアはアリーに一緒にいてほしいと頼みますが、アリーはうまくいくか自信が持てません。二人の関係が簡単ではないことを認めつつも、ノアはアリーと永遠に一緒にいたいと願い、努力を惜しまないと告げます。アリーは自分の選択が、ノアかロンのどちらかを傷つけることになると思い葛藤します。ノアは、結果に関係なく本当に一緒にいたい人を選ぶように強く勧めます。滞在先のホテルで、アリーはノアの手紙を読んで泣き、混乱しながらロンと話し合い、ロンと別れる決断をします。ついにアリーはノアの元に戻ります。

2004年、認知症を患っているそ高齢女性が、じつはアリーであることが明らかになります。デュークは実はノアで、彼女を驚かせないために偽名を使っていたのでした。彼が読んで聞かせた物語はアリーの日記で、ふたりの恋愛物語が綴ってありました。アリーがノアを思い出す助けになると思い、ノアは毎日アリーにそれを読んで聞かせていたのでした。ノアが物語を読み終えると、アリーはそれが自分たちの物語であることを思い出します。アリーはついにノアと気づき、抱き合い、そして「I'll Be Seeing You」の歌に合わせて踊ります。しかし認知症はすぐに再発して、見知らぬ人に触れられたことにパニックになり、鎮静剤を投与されます。いっぽうノアは嘆き悲しみ、涙を流します。
その後、ノアは心臓発作を起こして、介護施設で治療を受け、アリーは認知症病棟に運ばれます。回復後、ノアは夜中にこっそりアリーの部屋に入りこみます。アリーはすぐにノアだと気づき、ふたりはキスを交わします。アリーは忘れたくないとノアに懇願し、ノアは死ぬときは一緒だとアリーに約束し「おやすみ」と言って一緒に眠りに就きます。翌朝、アリーの病室に入った看護師が、ベッドでふたりが冷たくなっているのを発見します。

物語冒頭の、ノアが観覧車にぶら下がって、アンに熱烈で強引で命懸のデートの誘いをするシーンは、最初はドン引きしましたが、あとの展開を見て納得がいきました。二人の性格と境遇は正反対で、いつもけんかして、吊り合わない恋で、全てが食い違っていましたが、唯一愛し合っていることは共通していました。ノアが歳を重ねるにつれて、だんだん落ち着いた人格になっていくことと、アニーもだんだん奇麗になっていくのが素敵でした。
ふたりの願いが、最後に奇跡を生んだラストシーンは胸を打ちました。老人になったノアが「平凡な自分の人生はやがて忘れ去られるが、一つだけ負けないことがある。それはひとりの女性を全身全霊で愛したこと。それで充分だ」と語る場面は、ふたりのお互いの愛情の深さを感じ、ある意味理想の恋人・夫婦関係だと思いました。アニーの認知症が再発して、パニックを起こすシーンは、ノアが気の毒で泣けました。
サントラもとても良かったです。全編にわたって、濃厚なキスシーンやセックスシーンが出てきますが、けっして下品ではなく、むしろ美しかったです☆
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