映画「ロードゲーム」を観て。オーストラリアのスリラー・サスペンス。連続殺人犯を長距離トラックで追跡するロードムービー
1981年に製作されたオーストラリアのスリラー・サスペンス映画です。オーストラリアを横断する長距離トラック運転手が、ヒッチハイカーの助けを借りながら、女性を惨殺してバラバラにした遺体を人里離れた高速道路沿いに遺棄する連続殺人犯を追跡するロードムービーです。1981年の公開当時、オーストラリア映画史上最も高額な製作費をかけた作品でした。昨年末に44年ぶりに日本で初公開されて話題を呼びました。惹句は「低温系独り言サスペンス」「寡黙系独り言ポーク・サスペンス・ロードムービー」です。クエンティン・タランティーノが「ベストオーストラリア映画」に挙げています。

アメリカ人の長距離大型トレイラー運転手のパトリック・クイッドは、孤独な中年男で、運転中は独り言ばかり言っています。時には運転中にも関わらず、ハーモニカを取り出して吹いたりしています。トレイラーで冷凍豚肉をパースまで運ぶ予定です。クイッドは勤めている運送会社の規則で、ヒッチハイカーは乗せないことにしています。なのでヒッチハイカーを見かけても無視して通り過ぎます。クイッドは夜を過ごすために田舎のモーテルに立ち寄ります。 そこで緑色のバンに乗った男が、クイッドがやり過ごした女性ヒッチハイカーと共にモーテルにチェックインするところを目撃します。モーテルはちょうど満室になります。クイッドは仕方なく、トラックで寝ることにします。その男のモーテルの部屋では、女性ヒッチハイカーがギターを弾いている間に、男が新しいギターの弦を取り出し、それを輪っかの形にして、手袋をした手に弦を巻きつけて、女性を絞殺します。翌朝、クイッドはトラックの中で目を覚まします。飼っているタイリクオオカミのボズウェルが、モーテルの外にあるゴミ袋を嗅ぎ回っていました。クイッドはバンの運転手の男が、ゴミの収集車がゴミ袋を回収する様子を、部屋の窓からじっと見ていることに気づきます。

クイッドはエア・ハイウェイを通ってパースへと向かいます。途中、口うるさい妻とその家族や、ヨットを牽引する用心深い男とすれ違います。また女性ヒッチハイカーのパメラ・ラッシュワースを何度も見かけますが、乗せることはありませんでした。ある中年の女(フリタ)は、高速道路にトイレットペーパーをばらまいて道路を封鎖します。驚いたクイッドはトラックを急停止します。フリタはクイッドのトラックの助手席に乗り込み、道端に自分を置き去りにした夫を追いかけるようにクイッドに命令します。2人は時間つぶしに「20の質問」というクイズゲームをします。フリタが女性殺害事件について話すと、クイッドは無頓着な返答をしてにフリタを不安にさせます。フリタはクイッドがニュースで報じられている連続殺人犯ではないかと疑います。

クイッドは、道路脇に停まっている緑色のバンを見てトラックを止めます。バンの運転手はゴミ袋とクーラーボックスを持っていて、袋を土に埋めているようでした。バンの運転手が、クイッドが双眼鏡で自分を見ていることに気づくと、作業を中断して走り去ります。クイッドがロードハウスに立ち寄ると、バンの運転手はクイッドのペットのボズウェルを襲います。クイッドは追いかけますが、ゆっくり走るボートの牽引車に邪魔をされて、通してもらえません。クイッドは通り過ぎる際に邪魔になったボートを叩き壊しますが、バンは遠く離れすぎていて追いつけませんでした。

クイッドは、何度もヒッチハイクをしている女性、パメラ・ラッシュワース(アメリカ人外交官の娘)をトラックに乗せます。クイッドはパメラに、父親に無事であることを知らせるように促します。サービスステーションで、クイッドとパメラはトイレの近くに停まっている緑のバンに気づきます。トイレの個室に誰かがいるのを見て、クイッドは犯人を追い詰めたと思い、パメラにバンを調べるように言います。パメラがバンの中のクーラーボックスに手を伸ばすと、運転手が後ろで寝ていることに気づきます。トイレの個室からは、別の男(バイクに乗っている)が出てきます。クイッドは人間違いに気づき、外に駆け出しますが、緑のバンはパメラ共々消えていました。

緑のバンに追いついたとき、クイッドはパメラが助手席で楽しそうに話しているように見えました。その夜遅く、クイッドは緑のバンが道路脇に停まっているのに気づき、様子を見るためにトラックを停めます。すると近くの茂みからくすくすと笑い声が聞こえて、クイッドはパメラとバンの運転手がセックスをしていると勘違いします。クイッドはバンに侵入してクーラーボックスを開けますが、中には食べ物しか入っていませんでした。

クイッドはパース郊外に到着して、計量所でチェックを受けますが、積荷の重量が数キロオーバーしていていました。不審がるクイッド。その最中に緑のバンを発見します。クイッドは犯人に間違われて警察に追われながらも、バンを追いかけるために、パースの街路を走ります。やがてバンは行き止まりに突き当たり、クイッドのトラックは狭い路地で立ち往生します。バンの運転手の男はクイッドのトラックに近づき、絞首具でクイッドを絞め殺そうとしますが、クイッドは男から武器を取り上げます。クイッドが逆にでバンの運転手の男を絞首具で絞め殺し始めると、警察が到着して、クイッドは殺人犯だと決めつけられます。警察は口を塞がれて縛られたパメラをバンから救出します。警察はクイッドが無実であることに気づき、群衆の中を逃げようとしていたパメラの誘拐犯を逮捕します。

豚肉の配送を終えたクイッドはパメラに、トレーラーのドアが開きっぱなしになっていて、バンの運転手が女を殺してトレーラーの中に遺棄したのだろうと語ります。食肉加工場では、トレーラーを掃除していた女性が、天井から垂れ下がったギターの弦に触れます。 女性がそれを引っ張ると、人間の頭がバケツの中に落ちてきます。
クイッドのバラバラ殺人の犯人をどこまでも追いつめるのパラノイア(偏執症)気味なのと、妄想・強迫観念がとても狂気でした。終始独り言を言うクイッドの妄想に付き合わされているようで、クイッドが徐々に心理的に追い詰められていく様子が伝わり、スリルを十分味わえました。疑心暗鬼になって誰も信用出来なくなったクイッドの気持ちが痛々しかったです。犯人の正体(顔)がなかなか明かされない展開もサスペンスの醍醐味で良かったと思います。後半、吊るしてあるリアルな豚肉が、人間の死骸に見えてきて、怖かったです。怖さだけでなく、ユーモアもたっぷり味わえる(クイッドの独り言とか)のでお得です☆
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