
梅雨が明けて、2人はしばらく逢わなくなります。夏休みに入った孝雄は、靴作りの資金と、進学したいと思っている靴の専門学校の学費を稼ぐために、中華料理店でのアルバイトに明け暮れます。一方雪野はいつもの新宿御苑のあずまやで時間をやり過ごして、晴れた日のここは知らない場所みたいだと感じます。2学期になったある日、孝雄は学校で雪野とすれ違い、雪野が古典の教師であったことと、生徒たちの嫌がらせのせいで退職に追い込まれたことを知ります。孝雄は嫌がらせの当事者である3年の女生徒に会いに行って、頬を平手打ちします。しかし彼女の仲間の男子生徒に殴られて顔面にケガをします。

孝雄は新宿御苑のあずまやで雪野と再会して、くだんの万葉集の「返し歌」を口にします。雪野は孝雄が、自分が古典の教師だと気づくと思い、あの短歌を詠んだのだと話します。ケガの理由を訊かれた孝雄は、先日の上級生との事を語らず言葉を濁します。急な夕立に遭い、傘を持っていない2人は、雪野のマンションに避難します。濡れた服を乾かしている間に、孝雄はオムライスを作り、雪野はコーヒーを淹れます。なにげない会話で笑い合い、心温まる時間を過ごした2人は「今が一番幸せ」だと感じます。孝雄から自分への好意を打ち明けられた雪野は、頬を染めますが、故郷の四国に帰ることを語り、高校生の孝雄に教師としての対応をとり、部屋を出ていく孝雄を無言で見送ります。残された雪野は孝雄と今まで過ごした雨の日々を回想して涙ぐみ、意を決して去っていった孝雄を裸足で追いかけます。マンションの階段で立ち止まっていた孝雄を見つけて駆け寄ろうとしますが「やっぱりあなたのことが嫌いだ」と拒否されてしまいます。自分の気持ちと逆のことを言う孝雄は、立場を隠していたうえ、靴職人の夢を無責任に応援していた雪野に対して、泣きながら怒りをぶつけます。真っすぐに自分を見ていてくれた孝雄の気持ちを受け取り、雪野も込み上げる思いをぶつけて、互いに泣きながら抱き合います。

冬になり、2人で過ごした新宿御苑は雪に包まれていました。雪野と別れてからも1人で新宿御苑に通う孝雄の元に、地元の四国で教師に復帰した雪野から手紙が来ます。孝雄は完成した雪野の靴を手にとり、あの雨の中、自分たちはお互い、ひとりで歩く練習をしていたことを想い、もっと遠くまで歩けるようになったら、雪野に会いに行こうと決めます。
背景の緑の木や葉の美しさと雨の描写、小道具の描写のクオリティが高く素晴らしいです。雨が主人公?というほど、雨のシーンばかり出てきます。6月から9月までの季節の移り変わりの描写が秀逸で、リアルに季節感を堪能することができます。料理を作るシーンと食べるシーンが多く、食欲を刺激されました。45分のショートストーリーですが、ラスト近くの2人が泣き叫ぶシーンでかかる曲・秦基博の「Rain」でカタルシスを得られます。小品ながら新海誠の一番の名作だと、個人的に思います☆
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