アニメ映画「戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人(エトランゼ)」を観て。レミー島田が主人公。自らの運命に立ち向かう
80年代前期に製作されたロボットアニメ「戦国魔神ゴーショーグン」のスピンオフ映画で、テレビシリーズの後日談にあたります。ゴーショーグンのグッドサンダー(正義側)のパイロットの一人であった「レミー島田」が主人公で物語が進行します。彼女の幼年期・青年期・老年期(それぞれが死と直面している)が交錯して描かれます。

ドクーガ(敵側)との戦いが終わってから40年経ち、レミーは病魔に冒されていました。死ぬ前に、かつての仲間(北条真吾とキリー・ギャグレー)や、敵として戦ったブンドル・カットナル・ケルナグールと再会するために、博物館へと急ぐレミーは、交通事故に巻き込まれて危篤状態に陥ります。以前から進行性の不治の病に侵されていたこともあり、医師は駆けつけた仲間たちに、レミーの命は長くないと告げます。レミーを心配するかつての仲間たちが見守る中、病床のレミーは精神内で、不思議な街で仲間たちと共に、逃れ得ない自分の運命と戦っていました。

宇宙を放浪しているグッドサンダーの3人とドクーガの3人がたどり着いたのは、ある惑星の砂漠の街でした。翌朝レミーの部屋に謎の少女から「お前は2日後に死ぬ」という手紙と、凌辱され惨殺されたレミーが写っている写真を受け取ります。やがて他の5人も、同様の手紙を受け取ります。その日からレミーの周辺に不可解な事件が起こるようになります(シャワーから血が噴き出す)。街へ探索に出たレミーは暴徒たちにつかまりかけますが、真吾やキリーに助けられます。ついにブンドルと共に、街の外へ脱出しようとしますが、何度試しても元に戻ってしまいます。この街は外へ出ようとしても戻ってしまう、脱出不可能な街でした。何をやっても脱出できない街で、ただ死を待つしかないのでした。脱出を断念した6人は、敵の本拠・街の中心の神殿を破壊することに決めます。

レミーは幼年期を回想します。売春婦をしていた母が死にます。レミーは男の子たちからからかわれて喧嘩した挙句、男の子たちを負かしてお金を奪ったために、追手から逃げていたところを、墓地にあった穴に足を滑らせて、真っ暗な誰もいない地下に生き埋めになってしまいます。ひとりぼっちになったレミーの前に、あの謎の少女の声が聞こえてきます。レミーは少女と会話を交わし、死から逃れられないと悟りかけます。しかし謎の少年たちが現れ(レミーの仲間やかつての敵たちの幼年時代?)レミーを励まします。やがてレミーは発見され、救助されます。

神殿を破壊する前日、レミーは拳銃(44マグナム)の打ち過ぎで、手首を痛めていました。手首を湯に浸すレミーは、最後に残った弾丸1発を首から下げているロケットの代わりに付けます。神殿を破壊する当日、6人は武装して敵の本拠に向かいます。前日までにカットナルとケルナグールの2人は、町中に爆弾をしかけ、路面電車を改装(武装)していました。北条真吾とキリーとレミーは、敵の神殿に乗り込み、御本尊を破壊します。しかしレミーは砂漠の中にある墓場で、巨大で凶暴な猫のような獣に翻弄されます。死の恐怖に脅かされながら、レミーは自分の運命に抗っていきます。マグナムを握る手に激痛が走り、銃を握ることすら困難になっていく中、レミーは「負けたくない」と叫びながら、なんとかその手で獣を倒そうと奮闘します。万事休すの中、レミーは首に下げていた最後の弾丸を拳銃に込めて、敵の頭を打ち抜きます。みごと敵を倒して倒れたレミーの背中には、レミーの墓碑銘が書かれた墓石がありました。

再び青年期。レミーはついに力尽きて心臓が止まります。仲間たちは悲痛をかかえて病室から出ていきます。その時、レミーが息を吹き返し、心臓モニターが作動します。レミーは仲間たちを追いかけ「一緒に行きたいんだ」と言って微笑みます。

ラストの場面、桑名晴子が歌う主題歌「時の異邦人」をバックに、墓が乱立する砂漠で、敵の獣と必死になって戦うレミーの姿に、感動を覚えました。瀕死の状態にあっても、決してあきらめないレミーの姿に、強く励まされました。物語の最後で、並行していた「3つの時」が一つになり、彼らの旅が再開していきます。仲間たちの絆も感動ものでした。全体的にシリアスなストーリー展開となっていますし、アニメには珍しい残酷な描写も出てきますが、再観に堪えうる見事な秀作だと思います。生きる希望を見失った時に、励まされる作品です。
ゴーショーグン本編を知らなくても、充分楽しめます。挿入歌である「真夜中のメリーゴーランド」も名曲です☆
追伸・現在、YouTubeで見ることが出来るようです。
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