映画「ユー・ガット・メール」を観て。監督と脚本は『恋人たちの予感』のノーラ・エフロン。商売敵の二人が恋に落ちるまで


 1998年製作のアメリカのラブコメ映画です。監督と脚本は『恋人たちの予感』のノーラ・エフロンで、主演はトム・ハンクスとメグ・ライアンです。お互いにビジネス上のライバルであることに気づかずに、インターネット上で知り合った男女が、メールでのやり取りを経ながら惹かれ合っていく物語です。原題は「You've Got Mail」で、当時のAOLのユーザーが新しいメールを受信したときに鳴る音に由来しています。1940年に製作されたエルンスト・ルビッチ監督の『桃色の店』のリメイク作品だそうで、元の映画の「手紙での文通」が「インターネットでのメール」に置き換えられています。撮影は主にニューヨーク市のアッパーウエストサイドで4か月間かけて行われました。この映画は批評家からおおむね好意的な評価を受けて、6500万ドルの予算に対して、興行収入が2億5000万ドルを記録して、ノーラ・エフロン監督の最高興行収入作品となりました。

画像

マンハッタンのアッパー・ウエストサイドで、キャスリーン・ケリー(メグ・ライアン)は母親から相続した老舗の独立系児童書専門店「ザ・ショップ・アラウンド・ザ・コーナー(街角の店)」を経営しています。彼女の恋人は、二ューヨーク・オブザーバー紙の左派コラムニストであるフランク・ナヴァスキーです。フランクはタイプライターに夢中ですが、キャスリーンはノートパソコンを好み、AOLのメールアカウントのハンドルネーム「Shopgirl」で、チャットルームで初めて出会った「NY152」という男性とメッセージをやり取りしています。二人は私生活の詳細については明かさないということで、長く親密なやり取りをしていますが、キャスリーンは彼の犬の名前以外、彼については何も知りませんでした。

画像

「NY152」はジョー・フォックス(トム・ハンクス)のハンドルネームで、彼は敏腕編集者のパトリシアと付き合っていて、彼の一族は大手書店チェーンのフォックス・ブックスを経営しているのでした。ジョーは親友で自社チェーンの支店長であるケビンの補佐を受けながら、キャスリーンの店から数ブロックの場所に、新しい店舗をオープンしようとしていました。キャスリーンの店の店員である、ジョージとバーディーとクリスティーナは、新しいフォックス・ブックスの店舗が自分たちの商売に悪影響を及ぼすのではないかと心配しますが、キャスリーンはその心配を一蹴します。

画像

ジョーが11歳の叔母アナベルと4歳の異母弟マシューと外出した際、キャスリーンが絵本の読み聞かせのイベントを行っている店に立ち寄ります。ジョーとキャスリーンは和やかに会話をしますが、キャスリーンが新しいフォックス・ブックスの店に嫌悪感を示すと、ジョーは自分の名字を明かさないまま、子供たちを連れて店を出ます。その週の後半、キャスリーンとジョーはある本の出版記念パーティーで再会し、キャスリーンは彼の素性を知ることになります。キャスリーンはジョーが素性を隠してスパイ行為をしたことを非難して、ジョーは彼女の店にケチをつけて、お互いに敵意を抱きます。

画像

「Shopgirl」は「NY152」にビジネスアドバイスを求めるメールを送ります。ジョーは彼女に反撃するように勧めます。フランクはキャスリーンの店を支持するコラムを執筆して、おかげで店は広く注目を集めることになり、フランクのテレビのトークショー出演、店に関するニュース報道、フォックス・ブックスの新店舗前での抗議活動へ発展します。ジョーは次第に悪化する評判に苛立ちますが、父親は開店すれば収まると主張します。

画像

「Shopgirl」と「NY152」は実際にカフェで会う約束をします。ジョーはケビンと一緒に到着します。ケビンは窓からカフェの中を覗き込んで、文通相手が実は彼のビジネス上の宿敵のキャスリーンであることをジョーに伝えます。ジョーは動揺して、いったんは店を立ち去りますが、気が変わって「NY152」であることを明かさずにジョーとして入店して、キャスリーンのテーブルに座ります。しかし二人は再び言い合いになり、キャスリーンが呵責なくジョーを非難したことから、ジョーは困惑して店を去ります。キャスリーンも「NY152」に会えないまま店を出ます。

画像

その夜「ショップガール」から「NY152」にメールが届き、彼女がついに嫌な人に立ち向かったが、今はひどく後悔していることをジョーは知ります。ジョーは「NY152」としてその店に行けなかったことを謝り、キャスリーンに、相手に言ったことはおそらく当然のことであったろうと書き安心させます。キャスリーンの「ザ・ショップ・アラウンド・ザ・コーナー」を救おうとする努力にもかかわらず、商売は徐々に衰退していき、いっぽうで新しいフォックス・ブックスは繁盛します。キャスリーンは店を閉め休みを取り、児童書を書くことを決意します。その後、キャスリーンとフランクは円満に関係を終わらせます。いっぽうジョーはパトリシアと別れ、キャスリーンへの想いに気づきます。ジョーはキャスリーンに「二重の正体」を明かさずにオンラインでのやり取りを続けながら、キャスリーンと会い続けます。

画像

「NY152」は「Shopgirl」ともう一度会う約束をします。待ち合わせ直前にジョーはキャスリーンに会い、自分の気持ちを告白し、過去の敵意を許して欲しいと懇願します。キャスリーンは心を動かされて同じ気持ちであることをほのめかしますが、「NY152」との繋がりも断ち切れないと告げます。

キャスリーンが待ち合わせの公園に着くと、「NY152」の犬である「ブリンクリー」を呼ぶ男の声が聞こえて、それがジョーだと気づきます。キャスリーンは「NY152」がジョーであってほしいと願っていたことを認め嬉し涙を流します。そして二人はキスを交わします。

画像

インターネットが社会に登場したばかりの時期、まだダイヤルアップが主流だった時代、メールの着信音に心をときめかしていた時代の物語です。恋しいメール相手が実は嫌いなライバルだったという皮肉が、この物語のポイントだと思います。終始明るいタッチのストーリー展開で、オシャレなニューヨークの風景と素晴らしいサントラが相まって、魅力的な映画になっていると感じました。ショートカットのメグ・ライアンはほんとうにキュートで魅了されました。冒頭のクランベリーズの名曲「Dreams」やジョニ・ミッチェル、スティービー・ワンダー、ラストのキャロル・キングの曲も良かったです☆

コメント