映画「冒険者たち」を観て。お宝探しの冒険。フランス・イタリアの合同映画。大人のための青春ドラマ
1967年製作のフランス・イタリアの合同映画です。人生の夢に破れた男2人に女1人の3人組が、お宝探しの冒険に旅立って、財宝を探し当てたものの、悲運に見舞われる顛末を描いています。「大人のための青春ドラマ」といった雰囲気の映画です。主演はアラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジョアンナ・シムカスです。

ローラン・ダルバン(リノ・ヴァンチュラ)は自動車技師で、パリ郊外の廃車置場(自動車処分場)に住みついて、革新的な新型カーエンジンの開発に、ひとりで取り組んでいます。ローランの友人でパイロットかつ飛行クラブの教官であるマヌー・ボレリ(アラン・ドロン)は、ローランと意気投合して、パリの凱旋門の下を、小型複葉機でくぐり抜けてそれを撮影し、成功すれば賞金が出るという計画にのめり込んでいました。ある日、廃車置場に前衛芸術家のレティシア・ヴァイス(ジョアンナ・シムカス)が材料探しにやってきます。レティシアは、スクラップが山積みの中から、目当ての車体パーツを物色します。最初ローランは「売り物じゃねえよ」とレティシアを冷淡にあしらいますが、ローランの仕事をレティシアが手伝うことになり、レティシアは原っぱでポールを立てる作業の手伝いをします。そこにマヌーが乗った小型複葉機が空から現れて、ローランたちが作ったポールをくぐって、曲芸飛行を披露します。3人は親しくなります。しかし、凱旋門に国旗が掲げられて、マヌーの飛行計画は失敗に終わります。マヌーは危険飛行を行ったことにより、パイロットライセンスを失います。実はこの企画は、マヌーを陥れるために、保険屋のヴェルタンが仕組んだ「罠」でした。

いっぽうレティシアは、大金をつぎ込んで初の個展を開催しますが、マスコミに酷評されます。ローランも自ら開発した新型エンジンを車に搭載してテストドライブをしますが、エンジンが爆発して失敗に終わります。それぞれの夢が破れて、3人は人生の目的を失いかけます。そんな折、凱旋門の件でマヌーたちを騙した保険屋のヴェルタンを、ローランとマヌーが殴りつけます。ヴェルタンは、アフリカのコンゴの沖合で、小型飛行機が墜落して、海底に莫大な財宝が沈んでいるという話を持ち出します。マヌーたちは、最初はこの話を信じませんでしたが、夢が破れて金銭的に困っていたマヌーとローランは、レティシアを誘って、宝探しの旅に出ます。3人は大型のヨットを借りて、ダイビングして潜水調査を始めます。レティシアは、もしも財宝を発見したら、故郷の海にそびえる要塞島(フォール・ボワイヤール)を購入して、芸術作品の制作三昧で暮らすという夢を語ります。マヌーもローランも、美しいレティシアに好意を抱いていましたが、レティシアが一緒に暮らしたいと囁いたのはローランのほうでした。

ある日、ある男が海を泳いでヨットに忍び込んで、マヌーたちに銃を向けます。金欠のフランス人男性(セルジュ・レジアニ)でした。男は墜落した飛行機のパイロットでたった一人生還し、正確な沈没位置を知っていたのでした。男の協力を得て、マヌーたちは海底で飛行機を発見して、宝石や金貨の詰まった箱を引き上げます。そしてお宝を4人で山分けします。そこへ沿岸警備隊を擬装する船が現れます。マヌーは警備隊員の要求に応じて、航海日誌を見せようとしますが、ニセの警備隊員だと見抜いた男が、銃を発砲して銃撃戦となります。その渦中で、レティシアが流れ弾に当たって死んでしまいます。大事な仲間を失ったマヌーとローランは、男を救命ボートで追い払います。レティシアを海に葬ったマヌーとローランは、彼女の取り分を親族に届けるために、レティシアの故郷であるフランスの海辺のシャラント地方を訪れます。2人はレティシアの叔父夫婦に会いますが、夫婦はレティシアのことをあしざまに言うので、2人は形見のアクセサリーだけを置いて行こうとします。しかし小さなアフリカ博物館で親しくなった少年が、この家の子供だと知った2人は、カバンから一億フランを取り出して、少年が成人したら受け取れるように、公証役場に手配します。

マヌーとローランは、少年の案内で沖合にそびえる要塞島に渡ります。島には戦時中の武器がたくさん残されていました。マヌーはパリに戻りますが、ローランは島に住み着いて、レティシアが夢見た要塞島をホテル兼レストランに改装する計画を立てます。マヌーはパリで派手な生活を送りますが、やがてローランのいる要塞島に行きます。しかしマヌーは外人傭兵部隊につけられていました。2人が計画について話し合っていると、傭兵部隊がコンゴの財宝を回収するために要塞島に到着して、激しい銃撃戦が始まります。2人は武器を取り出して応戦します。しかし、マヌーが腹に銃撃を受けて、ローランドに抱かれて亡くなります。マヌーが死ぬ直前、ローランはマヌーに「レティシアは言っていたぞ、お前と暮らしたいってな」と言います。マヌーは「この嘘つきめ」と答えます。

2人の男と1人の女という古典的な設定を通して、男のロマンチシズム、永遠のヒロインへの思慕をリリカルに謳いあげています。これほどセンチメンタルで美しい映画はなかなか無いと思います。大人の甘く切ない青春が描かれています。キャスティングも良くて、主題歌の「レティシア」も良かったです。ヒロインのレティシアを水葬するシーンの情感には胸が熱くなりました。ローランの抑えた心情に「男心」を感じました。

それにしてもジョアンナ・シムカスの瑞々しい魅力が光っていました。少年のように澄んだ瞳を持っているるシムカス。清楚でセクシーでコケティッシュで天真爛漫で健康美なシムカスは、とても個性的で魅力的でした。スリムな肢体に輝くばかりの笑顔には、どんな男でも抗しきれないと思います。アラン・ドロンの甘さとリノ・ヴァンチュラの渋さの対比が映えました。男の理想像を具現化していたと思います。愛憎が絡まない3人の関係も爽やかで心地良かったです。男同士の友情も素晴らしかったです。
エンドクレジットのシーンで、死んだマヌーと傍に佇むローランを、カメラが遠景で捉えて、そのまま要塞島の俯瞰になる。ヘリコプターから撮影されたであろう空撮映像が、とても素敵でした☆



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